子供たちの精神面のケアだけでなく、教育・物資等のサポートが国家レベルで望まれます。
ここから*************
中国・四川大地震は、数万ともいわれる家庭を一瞬のうちに破壊し、大勢の震災孤児を生み出した。両親の消息が分からないまま孤独な避難所生活を続ける子供も少なくない。地震発生から既に9日目。望みをつなぐ糸も、少しずつ細くなっている。
四川省綿陽の市街地にある避難所の一つ、「虹苑劇場」には、甚大な被害を受けた同省北川県の児童・生徒約700人が寝泊まりしている。うち3分の1が震災孤児だ。
「きのう、お父さんから電話があったよ!」。10歳の女児が声を弾ませた。離れ離れになっていた父親からようやく届いたうれしい知らせ。しかし、今も不安げに両親の安否情報を待ち続ける子供たちは多く、ボランティアの女性は、周囲を気遣うように女児の頭をなでた。
北川中学1年の胡乃丹さん(13)は地震発生当時、地元政府の行事に参加しており、建物の1階から脱出して無事だった。だが、自宅を兼ねた焼き肉店が全壊し、中にいた両親と祖母の音信が途絶えた。親友も遺体で見つかり、胡さんは独りぼっちになった。
作文が得意だが、地震後は文章を一切書けなくなった。「何かを書こうとしても、すぐに集中力が途絶えてしまう」。それでも避難所の集団生活の中で気丈に振る舞っている。
19日夕、中国の人気歌手、孫楠(そんなん)さんが慰問のため劇場を訪れた。「ワーッ」という歓声とともに子供たちは孫さんに駆け寄った。だが、胡さんはチラッと目を向けただけで、読んでいた教科書に目を戻した。
がれきの下に胡さんの両親らが閉じ込められている北川県からは同日、日本の国際緊急援助隊が撤収した。生存者が救出される可能性はきわめて小さい。「胡さんに最悪の知らせが届く時が怖い」。ボランティアの女性は顔を曇らせた。
綿陽最大の避難所、「九洲体育館」には、今も親の安否が分からない子供の名前と写真を載せたビラが多数張り出され、情報提供を呼びかけている。
ニュースソースはこちらPR