3人の母親の紀子さまのお言葉は、胸に来るものがあります。
やはり実経験がお言葉の端々に現れています。
【産経児童出版文化賞】秋篠宮妃紀子さまのお言葉(全文)
本日、第55回産経児童出版文化賞の贈賞式に出席できますことを大変うれしく思います。
近年、さまざまな事情から子供たちが読書をする時間が少なくなっているといわれております。しかし、その一方で、長年にわたり、児童に読みきかせやお話を通じ、本との出合いの場をつくるために、多くの方々が力を尽くしてこられました。
いつの時代でも、子供たちがみずから本を手にとり、装丁や紙の手触りなどを楽しみながら頁をめくり、本と語り合うことで視野を広げ、感性を豊かにはぐくむことは大切なことです。本作りに携わるすべての人が、製作の一つ一つの過程で時間をかけながら丁寧にまとめあげた本に出合うことは、子供たちの健やかな成長にとっても、大変有意義なことでありましょう。今年の産経児童出版文化賞には、約4500点を超す児童書の中から、日本の作家による作品が6点と翻訳された作品が1点、計7点の作品が選ばれました。
今回の受賞作品は、突然、母親をなくした少年が、母親の死を受け入れていく様子を、ぼくというもう一人の視点から描いた心に残る作品をはじめ、コウノトリが最後の生息地である豊岡の空に再び舞うまでの人々のさまざまな努力と感動を丁寧に記した本、朝鮮半島に伝わる9匹の龍の民話をいきいきとした文章と色鮮やかな絵による絵本、庭師の心のこもった手入れによって自分の家の荒れた庭がよみがえることによって、不登校の少女が登校に向けて歩んでいくお話、捨てられた子犬とその世話をする2人の小学生の兄弟と周囲の人々のあたたかなふれあいを描いた実話にもとづくお話、日本に長く受け継がれてきたいくつもの伝統行事と四季折々の遊びを親しみやすい絵とわかりやすい文章でつづった本、そして朝鮮半島に住む小さな女の子の愛らしいお使いの様子と村落の風景を美しい文章と絵によって描いた本、の7点でございます。
これらの優れた作品を多くの子供たちが読み、それぞれに思いをめぐらし、その中から将来の礎となるものを見いだす機会となりますことを願っております。そして、このようなすばらしい作品を生み出され、これから賞を受けられる皆様に、心よりお祝いを申し上げます。
これまで、児童出版の分野で地道に努力を積み重ねてこられた関係者の方々に深く敬意を表し、今後も子供たちのみならず、多くの人々の心を深く動かし、ながく読み継がれる本が作られることを願い、贈賞式に寄せる言葉といたします。ニュースソースはこちらPR
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